2020年10月、著・岩田宇伯『コロナマニア: 「ウイルス以外のコロナ」』(パブリブ)が発刊された。
「史上最大の風評被害」をテーマに「コロナ」と名のつくものをなんでも一覧にまとめるトンデモ本だが、その情報量/内容の濃さ(なんと900種類以上掲載 !!)には尊敬の念を抱かずにはいられない。
そんなこちらの発刊イベント〈凱旋コロナマニアナイト〉が10月24日(土)に特殊書店Bibliomania店舗及び配信上にて開催された。
出演は、『コロナマニア』の著者・岩田氏と、Bibliomania店主・鈴村氏。終始ゆるく且つ濃くウィルスじゃない方のコロナについて語り合った本イベントをレポートする。
文:ヨコザワカイト
注意:本記事は、あくまで風評被害に関する注意喚起を目的としている。
■凱旋コロナマニアナイト開幕
鈴村:今日お呼びしたのは、ウイルス以外のコロナの権威・岩田宇伯氏です。この本のテーマが「史上最大の風評被害」とのことで、情報量からさすが取材のプロだなあと。
岩田:最初は興味本位で始めたんですけれど、やっているうちに本気になってきて(笑)。
鈴村:熱量が半端ないですよね。
岩田:「コロナ」でテキストマイニングしたりしました。この前は、〈Subculture Camp 2020〉っていうレイヴでコロナ関連の曲を流したりしましたね。というわけで、今回まず紹介するのは、「コロナツマミ」です。扉とか引き出しにつけるやつです。
LINK:https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/221005378750/
岩田:あとは、Twitterで教えていただいた山形の「コロナサイダー」です。こういう感じでどんどん紹介していきますね。
■コロナでゆりかごから墓場まで
岩田:まずは、「サンタコロナ病院」で生まれて、「サンタコロナ教会」で洗礼を受けて、タコベイビーの「コロナ」っていう乳母車に乗り、学校に行くなら滋賀県の「個別指導コロナ」。
鈴村:一気に庶民的になりましたね(笑)
岩田:スポーツをしたくなったら「コロナフットボールクラブ湘南平塚」に通い、高槻には「冠中学校」と「大冠高等学校」があります。
岩田:それだと若干無理やり感があるので、アリゾナの「コロデルソルハイスクール」へ。住む先は青森に「コーポコロナ」。時空が歪みましたが(笑)。彼氏や彼女ができたら、生駒には「ホテルコロナ」があります。各部屋に電マもあるそうですよ。
鈴村:その情報関係ないですよね!
岩田:住む先には、広島の「志和町冠」とか。山奥だけどね。ニューヨークのクインズ地区には、「コロナ」という地名があります。コロナの感染率がニューヨークの中でもダントツだそうで、中南米系の移民が多く殺伐とした雰囲気らしいですよ。それが嫌な方は、ギターメイカーのフェンダーの本社があるカルフォルニア州「コロナ」。結婚するなら、「コロナジュエリー」で婚約指輪を。新潟の「おしゃれ館コロナ」で着付けなんかして。これはボリビアかなあ、「スーパーマーケットコロナ」でお買い物。家を建てるなら、コロナグループの「コロナ住宅」。インテリアも「コロナ」、電気会社も「コロナ社」。人間は最後死ぬんですよ。その際は埼玉の「コロナガーデン」で。死んだあとは、長野の「コロナ商事」でお盆提灯を買えますので。これがオープニングですね(笑)。
鈴村:いい感じに盛り上がってきました!
岩田:と言っても、風評被害を受けているところもね、うまくSNSを使って逆転ホームランを打つというか、そういう道はありますよね。風評被害というところでいうと、「加藤スポーツ」さんを知っていますか?
LINK:https://www.news24.jp/articles/2020/04/27/07633476.html
岩田:町の普通のスポーツ用品店ですね。加藤さんが死んだというデマを打ち消すために、緊急告知と書いたビラ(上記ニュース参照)を新聞の折り込み広告に掲載したという。かとう徳太郎さんですね。前瀬戸市議会議員で、検索してみると2005年3月2chの過去ログ「開会式に招聘されない市議怒る」なんてのがヒットしました。共産板の過去ログですね。
LINK:http://news18.5ch.net/test/read.cgi/femnewsplus/1111719912/l50
鈴村:往年の革命戦士っていう感じですね。
岩田:彼の近くで「噂のクラスター」が起きたと。僕も近くに住んでいるのですが、「コロナ引き寄せの法則」とでも言えますでしょうか。そんなエリアですね。
岩田:これが、デマが流れたコメダコーヒーですね。高須委員長は、ネトウヨだけど義侠心はありますよね。うちからすぐ近くだったので、私も取材を先日ここで受けました。「喫茶コロナ」は愛知県全滅だったので、ここになりました。そのまた近くにコロナハイツがあります。うちの近所はコロナだらけですよ。
鈴村:引き寄せているんですかね。というか、よく2chまで調べてましたね。
岩田:いや、このスレ常駐していたんですよ(笑)。どっかで喧嘩していないかなーなんて(笑)。
LINK:https://www.asahi.com/articles/ASN6H4WTMN64OIPE02F.html
岩田:『コロナマニア』のコラム「愛知の新名物・俺コロナ」(俺コロナ:「俺コロナ」と自称しウイルスを撒き散らす/撒き散らすふりをする人のこと)では、表とデータが白黒でしたので、今日は色付きで見てもらおうかなと思います。
岩田:中には不起訴になった人もいますけれど、愛知県は「俺コロナ」の一大産地ですね。全員が本物というわけではないんですけれど。マスクを外して息を吹きかけたなんてのもありました。これが、ワードクラウドとテキストマイニングの感情分析です。
鈴村:「怒り」と「恐れ」が多いですよね。新聞によって言い方が違いはあるのでしょうか?
岩田:新聞は文字数制限があるので、大体似たようなスコアになりますよね。「あいつコロナ」でも同じことをやってみました。記事数は少ないのですが。お店に対する悪口なんかがヒットしますね。
岩田:こんな感じで色々な与太話をコロナマニアのコラム欄で書いています。誰もやらないんでね。「何いってんだ、お前」というのをテーマにすると反応がたくさんもらえるということが最近わかってきました。
鈴村:実際、こうしてちゃんと追いかけている人もいないんですよね。
岩田:今日は、トヨタコロナの販売促進用レコードなんかを持ってきましたので聴いてみましょう。英語で歌っているB面はどこにも上がっていないので。自動車を買った人とか、整備関連に配った者ですね。鼻歌で歌ったら「俺コロナ」で通報されるかな(笑)?
岩田:この辺で一度しめて、休憩のち、後半戦です!
■さらにディープな後半戦「コロナ・ゲームの世界」
岩田:後半戦は『コロナマニア』にも載っていない情報ですね。
鈴村:最初は、コロナと名前のついたキャラクターをまとめようかと思ったのですがあまりなかったので、コロナに関するゲームを紹介です。
鈴村:まずは、「密ですゲーム」。人を避けて進んでいく単純なゲームですね。音声は某都知事っぽい人の声をサンプリングしていますね。
LINK:https://gamingchahan.com/mitsudesu/
鈴村:「密です3D」もあります。こっちは、マスクだったりを着せ替えもできますね。人が集まっているところに蜜ですビームを打つと。ちなみに、空も飛べます。これは割と遊べるゲームですね。
鈴村:これは海外の「コロナファイター」自分が赤血球になってコロナウイルスをやっつけるシューティングゲームです。
岩田:レトロゲームみたいだね。
鈴村:質の良いレトロゲーみたいな感じですね。これも、実はかなり遊べます。不謹慎ゲームというより便乗ゲームですかね。次にちゃんとしたやつを紹介しますね。「Operation Covid-19」。目の前にコロナウイルスが出現するので倒していくと。
岩田:ウイルスにしては、大きいですね。
鈴村:鉄砲なんですけれど、トイレットペーパーを発出しているんですよ。みんなが買いだめるほどの物をコロナウイルスにぶち当てろっていうゲームです。弾数は無限なので、いくらトイレットペーパーを使っても安心ですよ。
鈴村:次は、解説が難しいんですけれど手術シミュレーションゲーム「Trauma Simulator」(18才以上対象)です。米国国防総省監修のゲームとのこと。今のバージョンはコロナウイルスに対応していて医療用エプロンの付け方や消毒などが学べる仕様になったんですよ。手術の準備をするまでしかできません。エプロンを着るだけのゲームになりました。しかも元々はフルプライス3200円なので、クソゲーです。まさにトラウマですね。
岩田:もっと不謹慎なゲームはないのかな? 誰かにうつしたら得点になるとか。
鈴村:過去にはあったんですけれど、中国当局に消されてしまいました・ここで一旦可愛らしいものを。「Virus Popper」。手を洗うとゲームが始まるんですよ。石鹸を持ってウイルスにアタックしていくと。一定回数以上、ウイルスにぶつかるとまた手を洗わなければならない。
鈴村:最後に風評被害を受けたゲームを紹介します。有名な「Plague Inc. -伝染病株式会社-」。自分で伝染病を作って人類を根絶させるゲームなんですよ。
岩田:これ、最高じゃないですか!
鈴村:プレイ画面では、早速中国でウイルス(名前:コロナじゃないウイルス)を作って世界中にばら撒いています。こういうのが不謹慎ゲームの楽しみ方ですね。
岩田:不謹慎ゲームの走りって「霞ヶ関」かな。地下鉄サリン事件がモデルになったやつ。それより前のもあるだろうけれど。
プレイ動画LINK:https://www.nicovideo.jp/watch/sm32403662
鈴村:「Plague Inc. -伝染病株式会社-」のリリースが2013年だったかな。でも、今は洒落にならないくらい叩かれているようです。今後はコロナを絶滅させるモードを実装させる予定だったり、コロナ基金に寄付したりとかしているようです。
岩田:いい人ぶろうとしているわけですね(笑)。最後のは酷かったなあ。こういう感じで、後半はひどいのばっかりなんですが。
岩田:まずは、名古屋の老舗ハッテン場「コロナクラブ」さん。ここのツイートって館内に何人いるかだけがツイートされているんですよ。
鈴村:あのブレなさは好きです(笑)。かっこいいですよね。
岩田:好きすぎて、データをエクセルにまとめてきました(笑)。内容は、是非コラムを読んでください。(内容省略)ついでにコロナ会館の前身「ドンバラ会館」についても調べてきました。(内容省略)
岩田:話は変わって、コロナ関連のキャラクター「corona-chan:コロナちゃん」。お団子がコロナウイルスの形になっていて、蝙蝠の羽が生えてます。チャイナ服を着ていて。コロナビールを持っていたりもします。結構コスプレをしている人もいますね。「Earth-chanアースちゃん」も出てきて、コロナちゃんがアースちゃんをいじめている/犯している同人絵なんてのもあります。
岩田:あとは、みんな大好きFANZAからAV制作会社のコロナ社というのがあって。VHS時代は結構羽振りが良かったらしいですよ。
LINK:https://www.dmm.co.jp/digital/videoa/-/list/=/article=maker/id=40162/
岩田:最後は風俗嬢「コロナ姫」を紹介します。水戸のOL風俗の方です。一旦お仕事を休止したのち、名前を「こころ」に変えて復活しました。お客さんのキッツイ応援コメントも是非読んで見てください。一周回って面白いので。あ、今日も出勤されてますね。
岩田:あとは、「ヒカルランド コロナ」で検索してみますか(笑)。
鈴村:アセンション系というか、スピリチュアル系ですかね。
岩田:これがねえ。なかなか、すごいですよ。コロナを浴びて次のフェーズにいこうとか。ちょっとこれは触れてはいけないと思って本でも扱えませんでした… そんなこんなで、あっという間に時間が過ぎてしまいましたね。
鈴村:あなたの身近にもコロナブランドはあると思うので、是非調べてみてくださいね!
コロナマニア「ウイルス以外のコロナ」一大コレクション
著:岩田 宇伯
出版日:2020年10月6日(火)
出版社 : パブリブ
岩田宇伯 Twitter:https://twitter.com/dqnfr
特殊書店Bibliomania Twitter:https://twitter.com/BiblioManiaY
特殊書店Bibliomania HP:https://bibliomania-books.com/