【ライヴレポート】〈re:LIVE 東京 fes〉に学ぶ新時代の「フェスのお作法」

10月31日(土)と11月1日(日)の2日間にわたって、代々木公園にて準フリー野外音楽フェス〈earth garden “秋” / re:LIVE 東京 fes〉が開催された。ポストコロナの新基準を打ち立てたイベントの様子を新時代の「フェスのお作法」という観点からレポートする。

なお、本公演は収益の一部を「Save the Live Project」に賛同する加盟ライヴハウスに分配するサービス「サブスク LIVE」にて同時配信された。

文:ヨコザワカイト
写真:須古恵


〈re:LIVE 東京 fes〉開催

10月31日(土)、渋谷の空は清々しいほどの晴天。私は、代々木公園に音楽フェス〈re:LIVE 東京 fes〉を観に来ていた。

今日は新しい「フェスのお作法」を学びに足を運んだ。というのも、公式HPにはこんなことが書いてあったからだ。以下に引用する。

渋谷の野外ライヴの中心地で1,000人以上が集まる音楽ライヴを実現します。そのためには今、皆がやさしく気づかいあう感染抑制への協力が必要です。「コロナ時代のフェスのお作法」を皆でつくる、ポストコロナのトライアルフェスの開催!

いつまでも過去を追いかけるのではなく、未来を見据えた音楽業界であって欲しい。ポストコロナを当たり前にするために、本公演を見届け新しい「フェスのお作法」をレポートすることには意味があるといえよう。

本イベントは、20年回目の開催となるオーガニック&エコロジーなイベント〈earth garden〉が全体をコーディネート。後述するのだが、その長年の積み重ねが“慣れ”と“リテラシー”の相乗効果を産み、本企画を成功へと導いた。

代々木公園はコロナの流行以来本格的に音楽フロアを使うのが初めてとのことで、8ヶ月ぶりの公演となる。そんな期待と不安の入り混じった日なのにも関わらず、落ち着いたスタッフと観客の姿に安心感を覚える。

入り口で消毒と検温をしっかりと守って入場。これまでなかった会場を囲む柵も用意され、入ってしまえばゆるりゆるりと伸び伸びとした会場が広がっていた。

この日「コロナ時代のフェスのお作法」として参加者全員に告知されたメインのルールは以下の通り。

・個人情報の取得(保健所等の公的機関へ提供のため)
・接触確認アプリCOCOAの登録
・検温
・マスクの着用
・酔い過ぎ禁止
・ステージフロアでのソーシャルディスタンス

以上を含むルールはかなり徹底されており、観客側もしっかりと守っていた。なぜこんなにもイベント全体のリテラシーが高いのだろうか。

「街中の当たり前をみんなが守れば、不自由をそこまで感じることなくこうして開催ができるんです。」そう語るのは、広報の葛原さん。

なるほど、我慢するのではなく、当たり前を拡張するような形で楽しみに来ているのか。それがポストコロナの音楽の楽しみ方なのであれば、本イベントから様々な希望が見えてくる。

そして、ステージフロアには再びの検温と個人情報の記入のち、COCOAの登録確認などをしっかりと済ませて入場。ベンチにはソーシャルディスタンスを守るための区分けがしっかりとされており、会場内には観客のルール徹底を見守るスタッフの姿も。新しい安心感とともに伸び伸びと席につくことができた。

綺麗な秋晴れのもと、心地よい風が会場を吹き抜け、僕の胸を駆け抜けていく。この広々とした空間に吹く自由な風は配信の画面まで届いただろうか。

ステージまでには少し距離があるが、結果的に広々と堂々としたステージ作りになっている。ライヴがおこなわれるステージ会場への入場費はたったの500円。それだけで文化を守って楽しんでいけるなら安いものだ。