【ライヴレポート】〈re:LIVE 東京 fes〉に学ぶ新時代の「フェスのお作法」

初日がスタート、接触とは何か?

初日は、TEX & Sun Flower Seedのライヴからスタート。青さを増していく高い空のもと、軽快な演奏が代々木公園をあたためていく。メンバーも本当に楽しそうに演奏をしている。

しっかりと自分の居場所を守るようでいて、どこかに連れていってくれるような。そんな空間にこそ、人と人との距離に寂しさは感じず、むしろ音楽を大音量で聴けるということに心が温められたような気がする。

柵外でライヴを眺める人も増えてきた午後1時、佐々木亮介(a flood of circle)が登場。パッと張り詰めた会場に、彼の声とギターの音色が弾けるように響き渡った。

忌野清志郎「JUMP」をカバーするなど、特別な1日がさらに色濃くなっていく。彼自身意識をしていたのだろうか、時にマイクから遠ざかって歌うことで、その声が何にも変換されることなくまっすぐ1人1人に届けられる。

「みなさんがキラキラ輝いて見えます。」そう語った彼が続けたa flood of circleの「Super Star」そして誰もが知っている「カントリーロード」には皆思うところがあったのだろうか、圧倒的な心的没入感のもと見入っていた。

ここにきて、「接触とは何か」という疑問が僕の頭に渦巻きはじめた。

距離が離れていても、同じ空気の元、心は接触できる。むしろ、本来心に届くことが重要なのではないだろうか。その点、配信と生ではやはり何かが違う。これはエンターテインメントの問題ではなくコミュニケーションの問題なのだろう。

そして、配信前から素敵なミックスアップを披露しパフォーマンスをスタートしていったのは、Nakamura Emi。リアルな歌詞に共感を覚えるように体を揺らす観客。

こうした観客の総体を感情が伝わるほど詳細まで見ることができるのも、生のライヴならではだろう。ストリートカルチャーも取り入れた彼女の巻き込む力に会場全体が一体感を増していく。

そしてこの日の空気をガラッと変えたのは、大森靖子。この日のイベントに奥行きを与えたのは彼女の痛々しくも堂々たるパフォーマンスだった。

これまでのある意味ゆるい空間から、むき出しの感情が渦巻くソリッドな空間へと変貌と遂げる。代々木公園全体が彼女ただ1点に集中し、その様子をドキドキしながら見守る。情報過多でシンプルに最高のステージだった。

気がつけば日も沈み、初日の最後を飾ったのは「いとうせいこう is the poet」。鳥肌が立つようなエネルギッシュなステージを魅せる。“Dope“という言葉がぴったりな、いやそんな言葉ではこぼれてしまうほどの何かが詰まったパフォーマンス。

いとうせいこうを中心にした構成はまるで1匹の怪物が襲ってくるかのように、観客1人1人にリズムのバトルを仕掛けていく。

内なる衝動をかき立てられ、僕は思わず立ち上がって体を揺らしていた。